先日、リピーターのお客様から新たな工事のご依頼をいただきました。
こちらのお客様は、10年前に川崎で外壁塗装を弊社で施工させていただいた方です。
今回は、アパートの屋根塗装を行うにあたり、屋根上のアンテナを新しく交換してほしいとのご要望でした。
このブログでは、屋根塗装に伴うアンテナの撤去・取り付け工事の流れとポイントについてご説明します。

屋根塗装とアンテナの美観
お客様は、屋根塗装を行う際にアンテナのサビを特に気にされていました。
前回の工事ではアンテナの塗装を行わなかったため、サビが発生して屋根が汚れてしまったことを残念に思っていたそうです。
そこで今回は、屋根塗装に合わせて古いアンテナを撤去し、新しいアンテナを取り付けることにしました。
アンテナ工事は一見簡単そうに見えますが、設置方法や工事中の住民への影響を考慮する必要があり、タイミングと経験が求められる作業です。
アンテナ交換工事による住民への影響
アンテナを交換する際、最大の影響はテレビが視聴できなくなることです。工事の規模やタイミングによっては、数時間で済む場合もあれば、2〜3日間テレビが映らなくなる場合もあります。
今回工事を行ったアパートは、ワンルーム中心で4世帯が入居されていました。アンテナを外すと、4世帯すべてがテレビを視聴できなくなります。
そのため、テレビが視聴できない時間を最小限に抑えるべく、アンテナの撤去・取り付け工事はできる限り短期間で行う必要があります。しかし、工期を短縮するにはいくつかのハードルがあるのです。
アンテナ取り付け工事の方法と課題
アンテナ取り付け工事の大きなハードルの一つは天候です。
この工事は、電気工事の専門職人に作業を依頼します。今回の現場には足場があったため、ほぼ職人1名で対応可能でした(足場がない場合は通常2名で作業します)。要所は菊池が手伝いました。

屋根はガルバリウム鋼板でできており、アンテナの取り付けには「どぶづけ」と呼ばれる溶融亜鉛メッキによる接着方法を採用を。「どぶづけ」は、高温で溶かした亜鉛を用いてメッキしたものです。
ガルバリウム鋼板のような金属製の屋根では、通常の設置方法ではアンテナをしっかりと固定できないため、この方法が必須となります。
さらに、台風などの強風に耐えられるよう、アンテナは四方を支線(ピアノ線)で固定します。
ガルバリウム鋼板は水に濡れると非常に滑りやすくなり、特に今回のような6寸勾配の急な屋根では、小雨でも作業が危険になるためです。
雨が降ると屋根が乾くまで工事が進められず、工期が延びてしまいます。
天候による工事の制約
上記でも説明しましたとおり、アンテナ工事のスケジュールを組む際は、天候に特に注意が必要です。
そのためお客様には、工事当日の雨はもちろん、前日に雨が降った場合も屋根が乾くまで作業ができないことを事前にお伝えします。
お伝えする上で一番最悪なケースは、アンテナを撤去した直後に雨が降る時です。
この場合、屋根が乾くまで工事が再開できず、その期間テレビが映りません。
さらに、職人のスケジュールによっては3〜4日間工事がストップすることもあります。
こうした事態を避けるため、塗装職人では天気予報を慎重に確認しながら工事日を決定するのです。
今回の工事の様子
実はこのブログを書いている本日が、アンテナ工事の日でした。
支線の撤去には人手が必要なため、菊池も現場に向かうことになったのです。

事務所のある横浜を出発する際は雨が降っていて心配でしたが、現場の川崎では雨が止んでいたため、無事に工事を進められました。
新しいアンテナを屋根上で組み立て、水準器で角度を確認しながらステンレス製の支線(1.6mm)を張り、無事アンテナの取り付けを。
雨に影響されず1日で作業を終えられ、ホッとしました。
アンテナ工事をご検討の方へ
アンテナ工事は天候に大きく左右される作業です。工事をご検討の際は、スケジュールに余裕を持たせ、天気予報を考慮した計画を立てるとよいでしょう。

天候が工事に大きく影響するとお話ししましたが、「雨と塗装工事の関係」に焦点を当てて、もう少し詳しくお話ししたいと思います。
また、アンテナと似た雪止めや太陽光パネルなど、屋根上の他の附帯物についてもご紹介しますので、屋根塗装やカバー工法をする際に参考にしていただけましたら幸いです。
雨で工事ができない場合とは?
塗装工事は、アンテナ工事と同じく天候に大きく影響されます。
工事当日に雨が降る場合はもちろんですが、それ以外にも天候によって工事を中止することがあります。
具体的には、以下のようなケースで塗装工事を見合わせることが多いです。
1.工事当日の朝から雨が降っている場合
アンテナを屋根に設置する工事とは異なり、塗装工事は小雨でも可能な場合があります。しかし、一定量以上の雨が降り、壁や屋根が濡れてしまうと、塗料がうまく密着しません。そのため、仕上がりに影響が出てしまいます。
2.前日に雨が降って壁が濡れている場合
前日に大雨が降り、壁がびしょびしょの状態だと、工事当日に晴れていても壁が完全に乾くまで塗装ができません。乾燥が不十分なまま塗装すると、塗膜の剥がれやムラの原因になります。
3.午後から高確率で雨の予報が出ている場合
塗装工事や防水工事の予定があり、濡れると品質に影響が出る場合、午前中が晴れていてもその日の工事を中止する場合があります。特に、塗料が乾く前に雨が降ると、やり直しが必要になるためです。
工事当日の雨ならお客様もご理解いただきやすいのですが、2番や3番の場合は「今は晴れているのに」と疑問に思う方もいらっしゃいます。
お客様によっては、天候による工事中止がストレスになる場合も……。
しかし、それでも雨予報がある場合には工事ができないのです。
もしも予報を無視して工事を進め、雨が降った場合には、塗装が流れてやり直しが必要になったり、壁に水が染み込んだりします。
結果、工期が延び余計な手間や費用が余計にかかることになるのです。
そのため、塗装職人ではお客様にご不便をおかけしないよう、天気が不安定な日は無理に工事を行いません。
また、雨で工事が途中で中止になっても、職人の人工代は1日分の計上になります。
職人は基本的に「1日いくら」で働いており、業界には「出戻り三部」という言葉があるくらいです。これは、現場に行っただけで人工代の3割が発生するという意味で、少しでも作業をした場合には1日の人工代がかかります。
無駄な職人の手配をしないためにも、天候による工事の判断は私たちにお任せください。工事全体の流れを見ながら、費用と現状のバランスを考え、最適なタイミングで進めます。
屋根塗装やカバー工法の際に一緒に撤去や交換を行う屋根上の附帯物は他にもあります。
雪止めの役割とメンテナンス
雪止めは、横浜や東京のような積雪の少ない地域では必要ないと思われるかもしれません。しかし、まれに降る大雪に備えて設置しておくことをおすすめします。特に、隣家と敷地が密接している場合は重要です。

以前、お客様からこんなお話を伺いました。
大雪の日に、屋根に積もった雪が隣の敷地にドサッと落ちてしまい、運悪く隣に停めていた車のボンネットを直撃。雪の重みで車がへこんでしまったそうです。
お客様は奥様と一緒にお菓子折りを持ってお隣へ謝罪に伺い、車の修理費用も負担されたとのことでした。
家の周りに何もなく、屋根から雪が落ちても気にしないという家なら、雪止めは不要かもしれません。しかし、都市部では敷地が隣と密接している場合が多く、トラブルを避けるためにも雪止めを設置をおすすめします。
また、雪止めは錆びやすいので、塗装工事のタイミングで点検し、錆びている場合は交換すると良いでしょう。
太陽光パネルの取り扱い
次に、太陽光パネルについてお話します。
屋根塗装の場合は、パネルを設置したまま塗れる範囲で塗装が可能です。ただし、カバー工法を行う場合は、太陽光パネルを一旦屋根から下ろす必要があります。

その際は、専門の業者に依頼して撤去と取り付けが必要です。
最近では、東京都を中心に太陽光発電の設置に多額の補助金が出ます。パネルを設置されるお客様が増えています。ただし、太陽光パネルの脱着は専門業者でなければできません。設置を検討される際は、菊池にご相談ください。

それぞれのご自宅に最適な工事をご提案
今回は、屋根塗装と一緒に行うアンテナ工事、そして雪止め、太陽光パネルなどの附帯工事についてお話しし、天候による工事の影響や屋根上の附帯物の取り扱いなど、工事の際に知っておくと役立つポイントをまとめました。
屋根工事の際、アンテナの取り付け方や附帯工事をお考えの方に少しでも参考になれば幸いです。
これからも塗装職人では、お客様にベストなご提案ができる工事をしたいと思います。